日本和装の着付け教室に通ってみて【体験談・感想】

2021年6月26日です。今は夜の23時53分です。

丁字路といいます。ブログ更新久々ですね

 

今回はタイトルの通りの内容を書いていきます。今年の4月から日本和装の無料着付け教室に通っていたのでその内容をお伝えできればと。「無料って怪しい」、「何か買わされたり、無料とはいいつつお金取られたりするんじゃ...?」とお思いの方も多そうなので、あくまで個人の感想ではありますが役に立てば幸いですということですね。先に結論を言うと、自分は楽しんで通わせて貰っていたし、高額な買い物を強いられることも無くとてもよい機会だったと思っていますのでプラス側の立場です

 

 

1 なぜ無料?

入会金・受講料は無料

たくさんの方に“着られる喜び”を

日本和装は、ひとりでも多くの方に普段からきものを着て楽しんでいただきたいと、30年余り前から無料で着付け教室を展開しています。

 

               どうして無料なのですか?

日本和装は、着付けの学校でもきものの小売業でもありません。
きものや帯の生産者と消費者を直に結ぶ「販売仲介業」という、まったく新しいビジネスモデルを行っている株式会社です(2006年8月株式上場)。無料の着付け教室は、きもの人口を増やしていくために行っています。
 

 

こちら公式サイトからの引用です。教室に通っている時もこの通りの説明を受けました。実際、有料の講義はありませんでしたし不信感はなかったです

 

2 全くお金はかからないの?

これについては答えはNoです。6回の授業のうち1回は着付けではなく、呉服屋さんや職人さん、老舗のメーカーさんなんかが教室に来て(あるいはこちらから訪問して)、知識を深めたり製法を教わったりするセミナー(販売会)の時間になるので、この日のお昼ご飯代は回収されました。自分の通っていた教室では1000円でした。昼食代なのでこの程度の所が多いのではと思います。

また、自分は祖母の着物や着付け小物を持て余していて通い始めたのですが、着付けに必要な着付け小物は多くの人が購入することになるのではと思います。昔の着付け道具と日本和装で教えている今の着付け道具は違っていて、例えば昔は紐で全てやっていたところをゴムベルトで簡単に着付ける等同じ道具を使えないこともあるためです。ですが、これは日本和装で着払いで買う以外にネットなどでも購入出来ますし、絶対日本和装で買わなければならない訳ではないと思います。また、以前見かけた方の感想で「持っていた小物じゃダメだと言われ、結局新たに買わされた」というような内容がありましたが、持っているもので代用できる場合はその道具を使っての着方を教えて貰えましたし、不必要なものを必要かのように装って売りつけるということはされませんでした。

自分の場合、[足袋][和装ブラジャー][腰パッド][帯板]は持っていたので、日本和装で[夏用スリーブ(長襦袢の下に着る下着のようなもの)][仮紐2本][クリップ付ゴムベルト2本][クリップ][小袖えもん抜き]を購入しました。12000円くらいだったと思います。既に着付け小物を持っている方は、6回の授業が始まる前に説明会がありその時にお手持ちの道具を持ってきて下さいとアナウンスがあるはずですから、そこで持参し確認してもらうといいと思います。自分の場合は説明会から教室の1回目があるまで一週間以上期間が空いていたので、もし日本和装で買うより安くネットで買いたい場合はこの期間で足りなかった分を用意すれば間に合うはずです。

 

上記の内容をまとめると、「6回の教室そのものは完全無料。ただし1回分の昼食代1000円くらいは別途回収。また、着付け小物で足りないもの、昔のもの過ぎて教える内容では使えないものは各自用意するが日本和装以外でも購入は可」といった感じでしょうか

 

3 教室の内容について

申し込みから教室が始まるまでに説明会が1回、教室は全部で6回(うち1回がセミナー)です。基本的に毎回同じ曜日の同じ時間に行われますが先生の都合でずれたり変わったりすることもありました。教室は一回あたり2時間です。最初は長襦袢の着方や畳み方から始まり、小袖の着方、袋帯の結び方(お太鼓結び/二重太鼓)を教わります。すぐに覚えて実際に来て行けるように、をモットーに最初の教室では複雑な帯の結びなどは扱っていないそうです。

ただし、6回の教室に通っただけでは来ていけるくらいのレベルにはなりません!まあ当たり前っちゃそうですよね。あくまで着方や結び方の手順は教えて貰えますが、外に出ていけるくらいの着付けを自分でするには練習が必要ですし、経験を積まないと難しいです。そのため、「6回で、自分で出かけられるレベルの着付けが出来るようになる」ではなく「6回で着付けの手順を教えてもらい実行出来るようになる」という認識の方が正しいです。着付けが出来るようになるといっても人前に出れるというレベルまでではなく、正しい手順で着れる(見た目や形が不格好でも)という感じ。そのため、この6回の教室を数回うけて経験を積む方が多いと聞きました。以前は1人1度までと受講制限があったそうですが、今は何度参加しても構わないとのことです。2度目以降も無料で参加出来る(そもそも日本和装の教室は全て無料)ので自分は2回目も受講しようと考えています。

自分が教わった先生は教え方が分かりやすく、あいまいなニュアンスだけ伝えたり、見て覚えなさいといったやり方で教えたりするのではなく、「ここから何cmのところで留めて」や「手がここに当たるまで持ち上げて」のように具体的に手順を踏んで教えてくださいました。また、出来るようになるまで何度も繰り返してみるようにいわれるので身体で覚えていくことが出来たし、手順を忘れた時や形が崩れている時はすぐに指摘して貰えるので間違ったまま覚えてしまうこともなかったです。中には高い買い物をさせることが目的なので当の着付け教室がないがしろにされていて、間違っていても訂正してもらえなかったという体験や、分からないと尋ねても嫌味な対応をされて聞きづらかった、生徒ごとに贔屓の差があからさまだったという声もあるようですので、先生による違いはあるのかもしれませんが...。

 

4 販売会について

正式名称は「TPO講座&販売会」といいます。強制的に買わされるんじゃないかとマイナスなイメージを持たれる1番の理由がこれではないかと思います。自分も通い始める前はかなり警戒していたし、強引なセールスには負けないぞ!という覚悟を決めてました。しかし完全な杞憂に終わりましたね。実際に買うつもりは無かったのに買わされたという話もあるようですが、私の教室ではそんなことはありませんでした。

まず、このセミナーについて説明すると午前と午後に分かれていて、午前中は呉服屋さんや老舗メーカーさんの人から伝統的な製法や帯や着物の種類についての講話を受けます。実物を触らせてもらう時間なども午前です。メーカーさんのお話も面白く、高価でデパートにあってもまず触れない帯なんかを拡大して見たり、触ってみたりできて結構タメになりました。そして昼食を挟んで、午後は実際の反物や帯を合わせて着こなしを試すコーディネートの時間になります。ここで気に入ったものがあれば購入することが出来ます。

お値段の相場としては最安で20万といったところかと。本藍のお高いものだと60万円近い値札が付いていました。老舗の呉服屋さんのものでしたので素人目にもいいものだとわかりましたし、お高いのも納得な品質です。

正直なところ、メーカーさんにとっても直接販売できる機会なので、セールスはあります。同じ回に参加されてた方は「〇円の所、今なら〇円でいいですよー」とお値下げ価格を提示されてました。ただ結局のところ決めるのは本人ですし、「買いなさい」という雰囲気で外堀を埋められたり、お金を払うまで返さないという圧をかけられたりなんてことは一切なかったです。自分たちの参加した回は若い人が多かったのですが(20~40代)、「家族に『ノリで高いの買っちゃわないでよ』なんて言われてきてまして(笑)」のような会話も平然と行われてましたし、結局誰も買わない選択をしてましたね。公式HPでも「よくある質問」として回答が載っています。

 

               TPO講座&販売会では、きものや帯を買わされるのですか?

購入することもできるというだけで、強制することはありません。
お気に召したものがあって、納得されたら、加盟店から直接お求めください。

 

 

「この販売会で参加者にモノを買わせることが目的だから、そもそもお金のない学生や若い人は教室の参加抽選で落とされる」という書き込みを教室に通いだす前に見たこともありましたが、どちらの条件も当てはまっている自分が参加できているので個人としては「そうかなあ?」と思います。

 

ですが、この販売会に参加することがある意味で教室運営の条件とはいえるかもしれません。

 

               TPO講座&販売会には絶対参加しないといけないのですか?

TPO講座&販売会では、きものや帯についての知識を得て、また、きものの楽しみ方を知っていただくのが目的です。
授業の一環としてカリキュラムに入っていますので、ぜひご参加ください。
実際に生産している方から話を聞くなど、着付けの授業とはまた違った角度から、きものについて学ぶよい機会にもなります。
 

無料で教室が実施できているのには、日本和装と提携している各地のメーカーさんの存在が大きいです。買う・買わないは自分で決めることで強制はされませんが、その代わりきちんと参加することが大切、と着付けの先生からは伺いました。「セールスは苦手!この会には参加したくない!」という方以外は、逆に言うとこの会にさえ参加してくれれば(買う・買わないは別)、何度無料教室に参加してもらっても構わないという感じでお聞きしたので、教室を申し込むかどうかはこの会に対してのご自身のイメージで決めればよいのかなと思います。他にも体験談などお話されてる方はたくさんいらっしゃるはずなので、こちらのブログも一個人の体験談として参考にしてください

 

5まとめ

 以上の内容をまとめるとこんな感じになります。

  • 一部実費負担をのぞき教室自体は無料で通うことが出来る。上のクラスでも、何度か通う場合でもすべての教室は無料
  • 全6回の教室でうち1回は販売会。基本は毎週同じ曜日・同じ時間に教室はあるので、見通しを持って曜日を決定できるようにしておくとよい
  • 6回の教室に通うことで正しい手順で着付けができるようになるが、美しい着付け(人前に出るなど)をするのはまだ難しい。手順を覚え実行できるようになることがゴール
  • TPO講座&販売会では強制的なセールスはないが、この会に参加することは必須条件にされている。参加しても大丈夫だという方は、何度か繰り返して通うことで確実に着付けを上達できる 

ここまで読んでいただきありがとうございました。もし興味があるけど迷っていたという方で、個人の体験や口コミが聞きたいとお考えの方がここにたどり着いて、なにかしら参考になっていれば幸いです。

では、お達者で。